クラシック音楽における「三大B」と呼ばれる作曲家がいる。バッハ、ベートーヴェン、ブラームスという、いずれも名字がBで始まるドイツ音楽の正統派たちだ。重厚にして堅実な作風は、まさに日本人好みと言えるだろう。 三大Bのトップ […]
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『菩提樹はさざめく』三宅幸夫
クラシック音楽には「歌曲」というジャンルがある。シューベルトの《冬の旅》という連作歌曲のタイトルは、ご存じの方も多いだろう。たとえ《冬の旅》は「?」でも、《菩提樹》となると「!」だろうか。《菩提樹》は、実は《冬の旅》に含 […]
『美学への招待』佐々木健一
「美学とは何か」「何をどう扱う学問なのか」「美学を知らなくては藝術は論じられないのか」…。わからないことばかりである。美学の学者なんて、霞を食べて生きている仙人のようなものではないか、と思いたくなる。 私のように音楽を専 […]
『いい音ってなんだろう』村上輝久
「ピアノ調律師」という職業をご存じだろうか。平たく言えば「ピアノの音を合わせてくれる専門家」なのだが、この技術者なしでは世のピアニストは生きていけない。 ピアノは、楽器としてはとても複雑で大がかりな構造にできている。ふつ […]
『ほんとうの社会力』辻 秀一
「ここ一番で力が出せない」という悩みをよく耳にする。職種や年齢には関係ないようだ。当然のごとく、学生たちもぼやいている。私も演奏家である自分の問題として、また指導者の立場からも「どうしたらステージであがることなく、普段の […]
『Aをください』練木繁夫
Aは「エー」ではなく、「アー」と読む。ドイツ語だ。先日この書評ブログに彗星のごとく登場した、世界を股にかけて活躍中のピアニスト、練木繁夫が初めて書き下ろした本である。練木がいかに文才に長けているかは、書評空間にある投稿文 […]
『ベートーヴェン研究』児島新
“学者の研究”と聞くと、敷居が高そうに感じるものだ。専門用語が並び、難解な言い回しが続く。「今日は日曜日です」ですむものを「さまざまな考察と明治以降の近代日本における歴史的習慣をふまえた上で、本日が日曜日である、という事 […]
『ひなちゃんの日常』南ひろこ
幼い頃に夢中になったもののひとつにプラモデルがあった。そしてマンガ。マンガは今でも驚くほどの数が出版され、書店の棚を埋めている。 マンガが嫌いになったわけではないが、以前のように根をつめて読むだけの余裕がなくなってき […]
『モーツァルト 演奏法と解釈』エファ&パウル バドゥーラ=スコダ
モーツァルトのピアノ作品をモーツァルトらしく弾けるようになるための指南書だ。読んでおもしろい、という本ではないが、奥が深い。難解な学術書とは違って実践のためのアドヴァイスがたくさん掲載されている。ここから得られる知識は他 […]
『現代医学のみた大作曲家の生と死 ハイドン、モーツァルト』アントン・ノイマイヤー
「死に様」の話題は人の注目を集めやすい。殺人事件の顛末を憂い、闘病記のたぐいに心を痛める裏には、死に関する興味がひそんでいる。それもそのはず、誰もが避けて通れないのが死である。自分にどんな死が準備されているかは、その時に […]