「どう練習したら上達するのか悩んでいるピアノ学習者のために」 著者の金子はピアニストとして活躍中だ。デビューは2005年、彼が40代になってからで、年齢的にはかなり遅かった。しかしデビュー後の演奏は多くの人を魅了し続け、 […]
紀伊國屋書評空間
『正しい楽譜の読み方 バッハからシューベルトまで』大島富士子
「ウィーン音楽大学インゴマー・ライナー教授の講義ノート」 日本で楽譜と言えば、まず五線譜が思い浮かぶだろう。「オタマジャクシは苦手でして…」と敬遠する人も少なくない。慣れないうちはとまどうものの、親しんでみれば実に良くで […]
『日本開国』渡辺惣樹
副題に「アメリカがペリー艦隊を派遣した本当の理由」とある。帯には「捕鯨はたんなる口実だった!」と大きく印刷されている。江戸幕府の鎖国政策が19世紀になって解かれ、日本開国、そして明治維新に至った日本史を解析するために何か […]
『六本指のゴルトベルク』青柳いづみこ
講談社エッセイ賞という賞がある。昨年は立川談春の『赤めだか』が受賞した。一世を風靡した酒井順子の『負け犬の遠吠え』もこの賞を受賞している。第25回となる今年度の賞が青柳の著書『六本指のゴルトベルク』に授与されたと聞き及び […]
『石を聞く肖像』木之下晃
おもしろい本に出会った。写真集だ。世界的に活躍している200人の音楽家のポートレートである。撮影は木之下晃。音楽家の撮影においては誰もが一目を置く写真家だ。1984年から85年にかけて小学館より出版された『世界の音楽家』 […]
『演奏者勝利学』辻秀一
「演奏家のためのメンタル・トレーニング」 同じ著者が執筆した『新「根性」論』という新書を今年6月のブログで紹介したばかりだが、読者ターゲットを音楽家に絞り込んだ、読みやすく楽しい本が出版されたので、重ねてご紹介したい。題 […]
『ヨーロッパ史学史』佐藤真一
今日という日は長い歴史の積み重ねの上に存在する。しかし一口に「歴史」とはいうものの、その範囲はさまざまだ。宇宙の歴史は気が遠くなるような時間の積み重ねだが、その中で地球が生まれ、生命が誕生し、哺乳類が出現し、そこから人類 […]
『新編 音楽家の社会史』西原稔
数十年前に出版された『音楽家の社会史』がこのたび「新編」として再版されることになった。大歓迎だ。歴史の本にありがちな古色蒼然とした内容とは一線を画し、現代の世相につながる接点がたくさん含まれている。今回あらためて読みなお […]
『新「根性」論』辻秀一
メンタルトレーニングのセミナーが花盛りだ。しかし社命ならまだしも、自発的に自分のスケジュールを調整してこうした講座を受講するには、勇気が必要だ。その前に「とりあえず本でも読んでみるか」ということになろう。しかし書店に並ん […]
『富士山を汚すのは誰か──清掃登山と環境問題』野口健
「世界で最も汚い山」という汚名を着せられてしまった日本の霊峰、富士山。世界遺産として登録したい、という気運が盛り上がっていたものの、ゴミ問題が大きなネックになっていた。数年前の報道では「ゴミ処理に関して富士山周辺に位置す […]