アベノミクス効果によって経済は上向き、給与も上がり、消費は増加し、日本はまた活気を取り戻すのだという。信じたいのはやまやまだが、本当にそんなバラ色の近未来がくるのだろうか。しかし「祇園精舎の鐘は鳴る…」と始まる平家物語に […]
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『ギャンブラー・モーツァルト』ギュンター・バウアー
古今の偉人たちの人生は、とかく神格化されてしまい勝ちだ。自らに課した課題のために他のあらゆることを犠牲にし、天から与えられた使命に没頭する姿が描写され、人並みはずれた集中力について語られる。こうして一旦誰もが納得するレッ […]
歌うネアンデルタール』スティーヴン・ミズン 熊谷淳子訳 & 『言葉と脳と心』山鳥 重
最近、気になっていることがある。言語と音楽の共通点だ。双方とも人類ならではのコミュニケーション手段だが、そこにはルールが存在する。言語には「単語」という部品があり、それらを組み合わせるための「文法」が存在する。西洋音楽に […]
『ショパン・エチュード作品10の作り方 & ショパン・エチュード作品25の作り方』パスカル・ドゥヴァイヨン 村田理夏子訳
ショパンが作曲した24曲のエチュードは、ピアノを学ぶ者はもちろん、すべてのクラシック系ピアニストが最高の芸術性、技術および明晰な頭脳をもって挑むべき試金石である。若者にとっての登龍門となる国際コンクールでも、必ずと言って […]
『お墓に入りたくない! 散骨という選択』村田ますみ
人生には、年を重ねてこそ初めてわかることがある。心意気はまだ若くても、体力の衰えを実感するようになり、心配事が増えてくる。二十代の頃には想像できなかった現実にいやおうなく直面させられるのだ。たとえば、なってみないと老眼の […]
『ジュリアードで実践している演奏者の必勝メンタルトレーニング』ドン・グリーン 那波桂子訳、辻秀一監訳
演奏家をめざしつつも、メンタルの問題に悩んでいる人への福音となる本かも知れない。とは言うものの、この本に書かれていることを忠実に守りさえすれば、今抱えている問題への解決が提供されるノウハウ本ではないことは、あらかじめ知っ […]
『ファジル・サイ』ユルゲン・オッテン 畑野小百合訳
今年4月17日の朝刊に掲載された記事である。 「イスラムを侮辱」有罪判決トルコ 無神論者のピアニスト 世界的に活躍するトルコのピアニスト兼作曲家ファジル・サイ氏(43)がイスラム教を侮辱したとして、イスタンブールの裁判所 […]
『ピアノと日本人』斎藤信哉
ピアノを教えることは、私の大切な仕事のひとつだ。そんな時に折に触れて使う表現がある。曰く「そんなふうにピアノの調律師みたいな弾き方で音を出してはいけません」。感性の良い学生はこの言葉だけで納得し、音の響きが即座に変わるこ […]
『ウィーン・フィルとともに』ワルター・バリリ著 岡本和子訳
「古き良き時代」という言葉がある。自分の人生をふり返ったときに多くの人が感じる、「あのころは良かった」「あの時は幸せだった」という郷愁に似た思い出だ。辛かったこと、不自由だったこともたくさんあったはずだし、おそらく幸せよ […]
『知って得するエディション講座』吉成順
興味深い内容には違いないが、どういう人にお薦めしたものか、迷うところだ。とりあえずはピアノを弾ける人、それもある程度のレベルに到達した人にとって有意義な参考書となるだろう。しかし音楽学生やピアニスト向きに書かれてはいるも […]