「食」は文化の大きな柱のひとつとして古今東西、常に歴史とともにあった。中でもフランスのそれは単なる“食事”と片づけけられぬ、至福の調和に満たされた食文化の頂点を担うものとして、現在もファンが多い。 本格的なフレンチディナ […]
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『ベートーヴェンの音符たち』池辺晋一郎
餅は餅屋。「芸は道によって賢し」や「海のことは漁師に問え」というのも同義の格言だ。本書ではまさにその神髄を味わうことができるだろう。伝統ある不動のクラシック音楽月刊誌『音楽の友』に連載された、多忙な(=人気絶大の)作曲家 […]
『琴剣(ことつるぎ)のちゃんこ道場』琴剣淳弥
スポーツファンは多かれど、根っからの相撲ファンは少数派だろう。年齢層も比較的高いに違いない。その昔に若貴時代といわれた、若乃花・貴乃花兄弟が活躍していた時代はともかく、このところの角界の勢いは今ひとつだ。テレビのワイドシ […]
『水が笑う』津久井ひろみ
「詩集」というジャンルの書物に、正面から向き合ってみた。一般的な詩とのつきあいは初めてではない。職業柄、歌曲を伴奏する際には、事前のテキスト研究が不可欠だ。しかし“書評”という角度からあらためて詩集を手にしてみると、不思 […]
『藤田晴子音楽評論選 ピアノとピアノ音楽』藤田晴子
前回は「とんでもない評論家」の迷文を集めた本を紹介させていただいたが、今回は「すばらしい評論家」の紹介だ。藤田晴子である。2003年秋に惜しくも故人となった藤田は、日本の音楽界にあってピアニストとしての視点から書かれた評 […]
『名曲悪口事典』ニコラス・スロニムスキー編
「ベートーヴェン以降の名曲悪評集」 批評家、という職種がある。個人的につきあえば立派な人格の方々だが、一般的にはあまり歓迎されない場合が多い。そうした大先生のご意見を拝聴、拝読させていただくのは興味深いものの、自分自身が […]
『光源氏が愛した王朝ブランド品』河添房江
『源氏物語』がブームだ。それもそのはず、今年は源氏物語の存在が記録として確認されてからちょうど千年目にあたる。さまざまな場所でこの物語に関する情報が紹介されているが、千年も昔の日本にこのようにたおやかで繊細な文化が栄えて […]
『決定版 ショパンの生涯』バルバラ・スモレンスカ=ジェリンスカ著、関口時正訳
小学生でもその名を知っているショパン。プロからアマチュアまですべての音楽ファンのアイドルだ。 これほどショパンの音楽が日本人に愛される背景には、いくつかの理由が考えられる。まず、あまり幸せではなかったように見えるその人生 […]
『バッハ 演奏法と解釈-ピアニストのためのバッハ』パウル・バドゥーラ=スコダ
「もっと自由なバッハへ──21世紀のバッハ解釈」 今回はあつかましく自らが関わった書籍を紹介することをお許し頂きたい。 バッハの演奏法に関するドイツ語の大著を数年かけて邦訳した。いつ終わるともわからぬ翻訳と編集は長いトン […]
『クラシックでわかる世界史』西原稔
「時代を生きた作曲家 歴史を変えた名曲」 本書のタイトルは「クラシック音楽を利用して世界史を勉強しよう」と読めるが、そうではない。「世界史と対応させることによってクラシック音楽をより深く味わうための本」なのだ。音楽の歴史 […]