新しい年度が始まった。学生も、そして新社会人も心機一転、「よしっ」と思っているに違いない。 社会人として自立するにはきちんと就職し、収入を得なければならない。 日々の生活はアルバイトでもしのげるが、これからの長い人生を自 […]
紀伊國屋書評空間
『詩的で超常的な調べ』ローズマリー・ブラウン 平川富士男訳
「死後の世界は存在しない」と固く信じている読者にとっては、「また例の、あれか」という印象しかもたらさない本だろう。しかし「ある」「あるかも知れない」「ないとは言えない」と思う読者、それもクラシック音楽ファンでピアノが好き […]
『シニア世代に教える最高のピアノレッスン法』本吉ひろみ
自分自身も還暦を迎えてみて「何か変わったか」と問われれば、「特に何も…」としか答えようがない。体力的にはその限りではないが、何とか持ちこたえている。気持ちは若いときと同じだ。「二十代と変わらない」と言って語弊があるならば […]
『合理的避戦論』小島英俊
このところ日本を取り巻く国際情勢に落ち着きがない。「平和ボケ」という言葉は、もはや死語となった。のんびりムードに浸りながら自国の発展と経済成長を追い求めていた時代は過去のものとなり、中国との摩擦、韓国との不和、予知できな […]
『ペイパーチェイス』ナイジェル・ルイス 中野圭二訳
集団的自衛権行使に関する話題が巷を騒がせている。「戦争になっても自らは何もできず、同盟国の支援を期待する」という状況は問題だとしても、「戦争に巻き込まれないための抑止力である」という政府の説明を100%信じている人はあま […]
『ショパンを嗜(たしな)む』平野啓一郎
恥ずかしながら、平野啓一郎の作品を読むのはこれが初めてだ。平野は1999年、京都大学法学部在学中に『日蝕』によって芥川賞を受賞している。その当時は最年少での受賞だった。 その後2002年に『葬送』という長編小説を上梓、現 […]
紀伊國屋書店の《書評空間》
2005年4月〜2014年3月までWeb上に開設されていた紀伊國屋書店の《書評空間》のアーカイブです。 最終的には46人の評者がそれぞれ得意なジャンルの本を中心に紹介していたサイトで、ページビューもかなりの数にあがってい […]
『モーツァルト家のキャリア教育』久保田慶一
カバーにはかわいいイラストがあしらわれ、副題は「18世紀の教育パパ、天才音楽家を育てる」となっている。思わず「楽しい娯楽本か?」と期待してしまいそうだが、内容はとても手堅い、立派な研究書である。とは言うものの、読んでいて […]
『わかりやすく〈伝える〉技術』池上彰
テレビのニュース解説でお馴染みの池上彰によるプレゼンテーション指南書だ。「テレビ」という特殊な環境の中での話術は、会社や学校といった一般的な環境における話術と同じではないことは容易に想像できる。その決定的な違いは「制限時 […]
『〈第九〉誕生 1824年のヨーロッパ』ハーヴェイ・サックス
「第九」とはもちろんベートーヴェンの作曲した交響曲第9番のことである。聴覚を失った最晩年のベートーヴェンが創作した大規模な交響曲だ。最終楽章で混声合唱による「歓喜の歌」が高らかに歌われるこの作品が日本における年末コンサー […]