『アウシュヴィッツの音楽隊』シモン・ラックス/ルネ・クーディー 大久保喬樹訳

第二次世界大戦が終結してから65年。戦闘員としての体験を自分の声で語れる人も少なくなりつつある。敗戦国となった大日本帝国とともに、ナチス・ドイツの行為を記した書籍は数多い。そうした中で、フランクルの『夜と霧』(筆者の20 […]

『もし大作曲家と友だちになれたなら…』スティーブン・イッサーリス 板倉克子訳

小学校高学年から大人まで誰でも気楽に読める、楽しく魅力的な本である。一般的な“偉人伝”とは違った味わいの、さまざまなエピソードが提供されている。本書を読めば、登場する主人公を単なる偉人として尊敬するだけでなく、愛すべき隣 […]

『バレンボイム音楽論─対話と共存のフーガ』ダニエル・バレンボイム 蓑田洋子訳

バレンボイムは実に多才な音楽家だ。演奏にはたぐいまれな安定感がある。若い時から、「危うさ」を感じさせない演奏がバレンボイムの魅力だったように思う。そして彼のレパートリーの広さと量も並大抵ではない。天才、なのだろうか? ず […]

『水が笑う』津久井ひろみ

「詩集」というジャンルの書物に、正面から向き合ってみた。一般的な詩とのつきあいは初めてではない。職業柄、歌曲を伴奏する際には、事前のテキスト研究が不可欠だ。しかし“書評”という角度からあらためて詩集を手にしてみると、不思 […]