音楽芸術は変化する。聴衆の好みも、演奏家が訴えようとすることも、時代とともに変わる。その中で尺度となるのが「作曲家はどう感じていたのだろう」「創作当時の音楽環境はどうだったのか」という、オーセンティシティーに関する考察で […]
投稿者アーカイブ: WPUs160001862
『本当は聞こえていたベートーヴェンの耳』江時久
地方のうらぶれたレッスンスタジオの本棚に並んでいたのを拾い読みしていたところ、やめられなくなってしまった。こっそり鞄に入れて持ち帰ってしまおうかとも考えたが、かろうじて踏みとどまった。自宅に帰ってネットで検索してみたが、 […]
『双子座ピアニストは二重人格?』青柳いづみこ
いつもながら、青柳の文章を読むとスカッとする。状況に応じた単語の選択と表現のセンスが秀逸なのだ。言わんとすることの雰囲気がストレートに感じられる。文章のリズム感も絶妙だ。この本にはこうした爽快さが満載されている上に、多岐 […]
『完全禁煙マニュアル』
見てわかるとおり、これは音楽の本ではない。タバコをやめたい、と思っている人へのガイドブックだ。タバコはもはや“個人の嗜好”として片づけられる問題ではない世の中である。 このマニュアルはインターネットを通じてサポートする […]
『ウィーン・オーストリアを知るための50章』
“音楽の都ウィーン”とは絶妙なネーミングである。私事で恐縮だが、長年住み慣れたウィーンから日本に本拠を移した際に、仕事整理用の法人を作って「アトリエ・ウィーン」と命名した。会社であるからには領収書を発行してもらうことが欠 […]
『モーツァルト』メイナード・ソロモン 石井宏訳
久々にずっしりとした感触の本を手にした。 偉人や天才の伝記というと、おおよそ両親のルーツから始まり、その後時間軸を中心に話が展開されていく。この本も例外ではないのだが、それだけではない。“現代人の目から見たモーツァルト” […]
『大作曲家シューベルト』エルンスト・ヒルマー 山地良造訳
引っ込み思案で女性にもてず、人づき合いが下手で友人のサークルの中でしか音楽活動をできなかった“偉大なるアマチュア”という先入観がもたれ勝ちなシューベルトだが、これは大いなる誤解である。シューベルトは同時代を生きた楽聖ベー […]
『ベートーヴェン“不滅の恋人”の謎を解く』青木やよひ
ベートーヴェンというと「苦悩の英雄」というレッテルとともに、眉間にしわがよった、あの顔が思い浮かぶ。確かに“音楽家なのに耳が聞こえなかった”というのは苦悩に違いないが、毎日が苦悩だけで満たされていたはずはない。 ベー […]